はじめに
盗聴器の電波がどのくらい届くのか、ご存じでしょうか?
盗聴器は日常的に使用する、または見かけるような製品ではないため、具体的な機能などを知らない方が多いと思います。実際、調査でお客様に盗聴器に関して説明をすると、知らなかったという反応が多いです。よくあるのが、テレビや映画での印象が強いせいか、携帯電話のようにどれだけ離れていても聴くことができると思われていることです。
盗聴器は設置されている環境や状況にもよりますが、通常、電波の飛距離は100mくらいとされています。
この距離の範囲が広いと感じるか、狭いと感じるかは人それぞれですが、これで部屋の中の様子を監視したり、会話を聴いたりすることは十分可能です。でも、もっと飛距離が長い方が、盗聴する側にとっては便利で売れるのではないかと疑問を持つ人がいると思います。
これには電波法が関係してきます。
電波には周波数というものがあり、携帯電話など使用目的によってそれぞれ使用できる周波数帯があらかじめ割り当てられていますが、当然ながら、盗聴用の周波数というのは存在しません。
少し身近な製品でいうとトランシーバーの例が挙げられます。トランシーバーは無免許で誰でも使用することができますが、これは出力が弱く使用範囲が狭いから誰でも利用できることになっています。そのため、海外製の出力の高いトランシーバーや日本製のものでも改造して通信距離を伸ばして利用すると、電波法に抵触して罰せられる可能性があります(1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金)。
簡単に言ってしまえば、盗聴器にしてもトランシーバーにしても、他の電波に干渉しない微弱な電波である必要があるため、通信距離が制限されているということになります。因みにかつてはもっと電波の飛距離が長い盗聴器も売っていましたが、電波法に抵触する可能性があるので、現在は販売されていません。
ネット上では盗聴波の飛距離は100mくらいという説明が多いですが、実際に盗聴器の飛距離を測定しているような記事などがなかったので、今回はあんしんライフのある渋谷クロスタワー周辺で、盗聴器の音声がどのように聴こえるのか実際に試してみました。
※実験には以下の機器を使用しました。
屋外で盗聴波の通信距離を測ってみた結果
まずは屋外の障壁のない直線距離でどのくらい盗聴波が届くのかを測ってみました。
あんしんライフがある渋谷クロスタワーの北側エントランスの外に受信機を持った者が立ち、盗聴器を持った者が徐々に北へ進むという計測で飛距離を測りましたが、200mを超えたあたりで盗聴器の音声が聴き取れなくなりました。
障壁がない直線道路では200mくらいが限度でした。100mの倍の距離まで届くといった結果にはなりましたが、このような状況で盗聴を行うケースはほぼあり得ないので、参考記録としてお考えください。
屋内で盗聴波の通信距離を測ってみた結果(商業ビル編)
次に渋谷クロスタワー(地上32階/地下3階)内で計測してみました。
テスト方法は、屋外実験の時と同じく、ビルの北側エントランスの外に受信機を持った者が立ち、盗聴器を持った者がビル内を移動する方法で行いました。計測地点は3箇所でおおよそ下の画像の緑の位置になります。
※渋谷クロスタワーは斜面に建っているため、受信機の位置の地上エントランスが3階の位置になります。
- 【1】メインエントランス(3F/ビル南西)
- 受信機とは同じフロアでビルの対角線上にある反対側の屋内になります。 直線距離にして30mくらいしか離れていないにも関わらず、電波は受信できたものの音声はほぼ聴き取れませんでした。ただし、自動ドアが開く度に音声が聴こえたので、ほんのわずかな環境変化で受信状況が変わるのがわかります。
- 【2】エレベーター付近(2F/ビル中央)
- 距離だけでいうと受信機に一番近い場所ではありますが、ビル中央で壁が厚く音声どころか電波すら受信できませんでした。
- 【3】屋外休憩所(2F/ビル南)
- 屋根付きの通路脇にある休憩所になります。 【1】のメインエントランスよりも距離的にも数メートル離れ、1フロア下りた2階なので受信状況としては悪くなったような気もしますが、音声はハッキリと聴こえました。今回、実験をした3箇所の中で一番距離が遠いところになりますが、屋外ということで障壁がないため、電波が建物を迂回して受信できたものと思われます。電波は距離よりも障壁などの障害物があるかないかの方が影響を受けやすいということがわかります。
盗聴波の通信距離を測ってみた結果のまとめ
今回の屋内調査では高層ビルの2~3階(実質地上階)とビルの基礎部分の場所で計測したため、障壁などが厚く、盗聴波の受信の状況が比較的悪い場所での実験となりましたが、距離による制限もあるものの、それ以上に設置する場所や環境の影響の方が受けやすいということがわかるかと思います。同じビル内でも上層階になると建物に重量のある資材が使用できないため、受信状況が変わってきます。
これまでの経験則でお話しすると、一般家庭ではビルよりも壁が薄く障壁が少ないため、調査を行った家ではなく、ご近所に設置された盗聴波を受信することもあります。
電波は盗聴器や受信機などの機器の性能だけでなく、周囲の環境の影響を受けやすいため、盗聴器があるかないかは調べてみないとわからないというのが実情です。
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盗聴は環境の影響を受けやすいため、機器を設置すればどこでも盗聴できるというわけではありませんが、逆に「こんなところまで電波届いているの?」という時もあります。結局のところ、憶測で盗聴されているか、されていないかを考えるのは、答えがないため、精神衛生上、あまりよくないケースを目にします。
盗聴調査の依頼をするきっかけとしては、ご自身が盗聴されているか不安になった時が一番いいと考えています。
物理的に盗聴や盗撮の可能性があるのかないのか、はっきりさせてから根本的な不安の元を解決されるのも一つの方法です。
もし盗聴・盗撮に関して不安になった場合は、調査会社にご相談されてはいかがでしょうか。
【参考リンク】あんしんライフ
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