はじめに
自宅や会社は環境や設備などをコントロールできるので盗聴・盗撮の対策はできるものの、一時的に利用するホテルやラブホテル、民泊などの宿泊施設での対策はなかなか難しいものがあります。特に民泊施設はオーナー自らが盗撮を行ってしまう事案が発生しているので、発見するのが更に難しくなっています。
最近では、盗聴・盗撮リスクを認識している外資系のラグジュアリーホテルや、外国人客や有名人・著名人のプライベートパーティーなどでも利用されるブティックホテルなどでは、盗聴・盗撮の定期調査を行っているところもありますが、まだまだ危機管理の低い日本のホテルでは盗聴・盗撮対策を行っているところは少ないです。
それだけに実行者の立場からすると発覚しにくく比較的安易に盗聴・盗撮ができてしまうため、ターゲットにされるのが宿泊施設です。
ここではホテル・ラブホテル・民泊などの宿泊施設における盗聴・盗撮リスクと注意点を説明したいと思います。
【参考リンク】あんしんライフ
ホテルで盗聴・盗撮される理由と設置場所、見つけ方
ホテルの盗聴対策について|ブランドイメージを守るためにも入念な対策を
ホテル・ラブホテルでの盗聴・盗撮について
ホテル・ラブホテル・旅館などの従来の宿泊施設は、想像がつくと思いますが、盗聴よりも盗撮が懸念され、利用者の方も盗撮に不安を感じる人が多くいます。盗撮はアダルト目的が多いため、当然ながらラブホテルは特に注意が必要です。
アダルト目的の盗撮に関しては、リアルタイムで確認する必要性がないため、多くの場合、電波を飛ばさずにメディアなどに録画するタイプのものになります。そのような機器(カメラ)を設置して、あとで当該機器を回収しますが、火災報知器やフック、時計などに仕込まれているケースもあるため、利用客はなかなか気付きにくく、発見されているのは一部でしょう。
また、アダルト目的とは言っても、実行者が趣味として行っている場合は、ネット上にはアップロードされないケースが多いようですが、アダルト動画として販売(金銭)目的の場合は、動画がアダルトサイトなどに公開されてしまうこともあるので二次被害に遭うことも想定しなければなりません。
日本ではまだ発覚したケースはありませんが(2022年4月現在)、中国や韓国ではホテルに数十台~数百台のカメラを設置し、ライブ配信で稼いでいた組織が摘発されていますので、いずれ日本でもこのような盗撮ビジネスが出てくる可能性は否定できません(登録者はアカウントにログインすればいつでも生配信されている盗撮動画を閲覧することができる)。
【参考リンク】
ホテル室内や着替え室の盗撮動画をライブ配信 中国ではびこる「盗撮ビジネス」
(AFPBB News / 2021.10.30)
ホテルの宿泊客1600人がこっそり盗撮されライブストリーミングされていたことが韓国で発覚 (GIGAZINE / 2019.03.22)
【参考リンク】あんしんライフ
盗撮カメラ発見器の種類・仕組みとは?問題点や他の対策も解説
会社・職場での盗撮調査|更衣室・トイレの隠しカメラの場所と種類
民泊施設での盗聴・盗撮について
近年、従来の宿泊施設に加え増加傾向にあるのが「民泊」です。 コロナ禍で廃業件数も増えているようなので全体的な件数は減少しているようですが、今でも多くの民泊施設が運営されています。
【参考リンク】
住宅宿泊事業法の施行状況 (民泊制度ポータルサイト「minpaku」)
民泊施設の場合、利用客だけではなく、施設オーナー自らが盗撮用のカメラを設置して検挙されているケースもあるので、従来のホテルや旅館よりも更に悪質で発見されにくい場合が多くあることが想定できます。
オーナーが実行者である場合、宿泊業よりも盗撮自体が目的である可能性もあり(盗撮のために民泊施設を運営している)、自由に工事ができるのでカメラの設置方法・手段も非常に手の込んだものが可能となります。また、チェック体制もないので利用者自らが利用前に確認するしか対策方法がありません。
【参考リンク】
- ・case.01 盗撮対策を…「ホテル・旅館より危険」専門家ら指摘(毎日新聞 / 2017.02.07)
- 関西の会社社長(男性)がボランティアの報酬として外国人旅行者に自宅の空き部屋を無料で提供していたが、浴室に設置したカメラで盗撮を行っていた。
- ・case.02 Airbnbで“民泊”したカップル、家主の隠しカメラで裸を盗撮される(ITmedia NEWS / 2015.12.21)
- 空き部屋シェアサービス「Airbnb」で見つけたカリフォルニア州のアパートに宿泊したドイツ人カップルが、家主が仕掛けたリモート制御が可能な高性能隠しカメラによって盗撮の被害に遭った。
- ・case.03 無許可で民泊、隠しカメラで盗撮容疑 社長を書類送検(朝日新聞デジタル / 2018.04.04)
- 不動産会社社長が無許可でマンションの一室を民泊施設として運営し、火災報知器型のカメラを使ってベッド付近を盗撮していた。「カメラは防犯目的だったが、客をのぞき見できると思い、ベッドの方へ向きを変えた」と供述した。
なお、室内およびトイレ、脱衣所などを盗撮すると、軽犯罪法、迷惑防止条例、個人情報保護法などに抵触する可能性がありますので、防犯目的などの理由は通用しません(防犯カメラの場合、原則的に設置と撮影理由を明示しなければなりません)。民泊施設などで盗撮被害に気付いた場合は、いきなりオーナーへ話したり抗議したりせずに、身の安全を確保するため警察に相談することをお勧めいたします。
宿泊施設を利用する際の注意点と対策方法について
料金さえ払えば原則的に誰でも利用できるのが宿泊施設です。そのようなサービスの性質上、宿泊直前に調査を行わない限り盗聴・盗撮を完全に防ぐことは非常に困難なため、ご不安な場合は宿泊の際に利用者が自分で確認・対策をする必要があります。
まず、盗聴が気になる場合は、使用しないのであれば備え付けの三又コンセントや電源タップなどの機器は外しておく方がよいでしょう。
また、原始的な方法ではありますが、テレビや音楽のボリュームを苦情が出ない程度に上げれば会話内容が聴き取りづらくなるので、盗聴器が仕掛けられていても一定の効果は期待できます。
盗撮に関しては、火災報知器やコンセントなどにカメラが仕込まれている擬態型のものがありますので、ベッド周辺やトイレ、脱衣所などを中心に不自然な設備がないか、死角にカメラが隠されていないかなどを確認してください。
不自然な設備とは、種類の違う火災報知器が複数設置されていたり、トイレの微妙な位置にフックがあったりした場合などを指します。カメラは撮影するため、必ずレンズをむき出しの状態にしなければなりません。もし気になる設備や調度品がある場合は、レンズがないか確認してください。
下記画像は東京・八王子市の駅構内の女性用トイレに実際に設置されていたコンセント型のカメラです。画像では確認しにくいかもしれませんが、コンセントの穴のように見える箇所にレンズがあります。
本件、被害者の一人でもある清掃員の女性が不審なコンセントに気付き事件が発覚しました。犯人は逮捕されましたが、供述によると女装してトイレに侵入し、逮捕されるまでに10回程の犯行を繰り返していたようです。
普段から掃除している清掃員だからこそ不審なコンセントに気付きましたが、一般の利用客で駅のトイレのどこにコンセントがあるかなどを把握している人はほとんどいません。盗撮用のカメラが設置状態の時に清掃員が入ったことにより偶然見つけることができました。
【参考リンク】
Airbnbやホテルで相次ぐ盗撮問題 元ハッカーが教える隠しカメラの見つけ方とは(リアルサウンドテック / 2021.09.07)
なお、宿泊施設ではありませんが、男性が自宅のトイレにカメラを設置して女性を招き入れ、盗撮を行った事案も発生しています。最終的には「自分の身は自分で守る」ことになるので、危機意識を持って被害に遭わないようご注意ください。
【参考リンク】
27歳大学生男、自宅トイレにカメラ7台設置し知人女性を盗撮
過去にも女子高生つきまといで逮捕(リアルライブ / 2021.10.13)
市主任技師、自宅トイレで知人女性盗撮…怪しんだ女性が翌日来訪してカメラ探す(読売新聞オンライン / 2021.10.23)
東京近辺で、盗聴・盗撮の調査をご希望の方へ
近年、スマートフォンの普及、望遠レンズの性能向上、カメラの小型化など、カメラ自体の性能向上や価格低下、スマホ常時携帯による生活環境の変化、ネットの普及による機器や情報の入手のしやすさなどが要因と思われる様々な方法・手段による盗撮事案が増加傾向にあります。
【参考リンク】
盗撮事犯の検挙状況(法務省 / 2021.04.23)
氷山の一角である検挙件数が増加傾向にあるので、被害者本人すら気付いておらず露見していない盗撮事案が多数あることは容易に想像できます。
盗撮は不特定多数をターゲットにすることが多いため、自宅以外で被害に遭う確率が高くなります。公共施設や店舗、会社のトイレと共に狙われやすいのがホテル・ラブホテル・旅館・民泊施設などの宿泊施設です。
一定の対策を行っている宿泊施設もありますが、現状、多くの宿泊施設が無防備な状態のため、宿泊施設を利用する際は必要最低限のチェックは自己責任のもと行うことをお勧めいたします。
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